2012年3月5日月曜日

ORS&AAOS報告記

ORS&AAOS報告記

2012年2月4日から7日まで58th Annual meeting of Orthopaedic Reserch Society (ORS)、2012年2月7日から11日までAnnual meeting of American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS) がサンフランシスコのMoscone Convention Centerにて開催され、吉田拓先生と参加してきました。関連病院からは、白庭病院の小林章雄先生、阪和人工関節センターの格谷義徳先生、金光成先生、済生会中津病院の大橋弘嗣先生、祷史明先生が参加されました。

サンフランシスコは暖かく湿度も低く、料理もおいしいため、非常に過ごしやすかったです。Convention Centerは巨大で歩くだけでも疲れ果ててしまいます(写真1)。ORSはポスター演題が増えたため、途中でポスターを貼り替えないといけないという事態になっていました。うかうかしていると、ポスターを見損ねてしまうので大変です。今回は、和歌山医科大学の宮崎展行先生と共同研究している“人工関節後のini vivo ポリエチレン摩耗粉分析”のポスター発表2題(写真2)、市大関連施設(大阪市大・大阪労災病院・大阪府立急性期総合医療センター・阪和人工関節センター)および大分大学関連施設(大分大学・新別府病院)の6施設で行ってきたTKA術中のKinematics解析についての多施設共同研究のポスター発表2題と口演1題を行いました(写真3)。口演は“Intra-Operative Assessment of Mid-Flexion Instability in Total Knee Arthroplasty” という演題名で行いました。術中のGap kinematicsは格谷先生の影響力(“Gap=格谷先生”という公式が日本のKnee Surgeonの頭の中にはあります)もあり、国内の学会では常にメジャーなトピックスの一つですが、アメリカではこれまであまり注目されて来ませんでした。これは、個々人の手術手技で術後成績を上げようという日本の考えと、器具やシステムで術後成績を向上させるというアメリカの考えの違いから来るものと思います。しかし、近年、術中のGapが術後の満足度や安定性に関連する事が分かってきたため、徐々に注目を集めるようになってきています。今回口演に選ばれたのもその流れの一つと思っています。“ようやく欧米が日本に追いついてきたか”という感がありますが、裏を返すと早いこと論文に仕上げないといけないということで・・・・、頑張ります・・・。また、JBJS常連の名物外科医Mr. No difference こと YH Kim教授が最近PE摩耗粉分析を始めたようで、その発表に質問したらこの分野では専売特許である市大との共同研究を持ちかけられ、今後検討してみるということになりました。(写真4)
学会も中盤となり、AAOSが始まると、街がやたらと騒がしくなってきます(写真5)。数万人が全米からやってくるので、SFの町中は整形外科医であふれかえり、タクシーが全く捕まらなくなります。AAOSは相変わらず狭き門で、口演で10%、ポスターで15%ほどしか採択されません。採択されると参加費はただですが、落ちると6-7万円かかります。今回もなんとかポスター発表にこぎ着けました。今回は、TKAの分野では、National RegistryとPatient Satisfactionが注目を集めていました。昨年日本CAOS研究会を主催した時、教育研修講演をお願いしたSeoul National Universtiy Bundang Hospital 教授のTK Kim先生とも会場で再会できました(写真6)。
今年は、日本がGuest Nationに選ばれ、最終日の夜にAsian Art MuseumにてPartyがありました。昨年の夏にAOA-JOA travelling fellowでお世話になった、学会長のD Berry先生(Mayo Clinic)(写真7)や、副会長のJ Jacobs先生(Rush Medical Center) (写真8)にもお会しました。Fellowで訪問したときに贈ったJOAネクタイをつけてくれており、訪問した時の思い出話でとても楽しいひとときを過ごすことが出来ました。また、このチャンスを逃すと次は無いかと思い、思い切ってAOA-JOA travelling fellowで大変お世話になりました日整会会長の岩本教授と日整会国際委員会委員長の吉矢教授と写真を撮って頂きました。(写真9)

来年は、ORSはサンアントニオ、AAOSはシカゴと、別々の開催になってしまいますが、抄録締め切りも迫って来ていますので、来年も参加出来るように頑張らねばと思う今日この頃です。


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