2012年6月5日火曜日

海外学会レポート:2012 ESSKA(ヨーロッパスポーツ外傷膝・関節鏡学会)

スポーツグループ・橋本祐介先生のレポートです。

 2年に一回開催されるESSKA(ヨーロッパスポーツ外傷膝・関節鏡学会)第15回に参加してきました。開催期間がゴールデンウイーク中だったのが日本から参加するには若干迷惑な感じでした。

 今回は当院スポーツグループから4演題、島田病院から2演題採用されましたが、残念ながら全員ポスターでした。今回の参加メンバーは橋本と大学院の山崎先生、瀧上先生、島田病院からは富原先生でした。山崎先生は学会の1週間前から体調を崩したものの何とか滑り込みで参加できましたが、瀧上先生は出発直前に発熱し、残念ながら学会参加不能となりました。そんなに私が追い込んだのでしょうか?そんな反省をしながらの出発でした。

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 学会会場はスイスのジュネーブでした。ジュネーブという都市は国連があることで有名ですが、普通のちょっとした小さな町で、全体的にお上品で素朴な印象を受けたのですが、見どころ満載というわけではありませんでした。私たちが宿泊したホテルは格安ホテルで、安さに目がくらんで選んだのですが、立地としては唯一といっていいぐらい治安が悪そうな場所で、夜を出歩くのははばかれる感じでした。


 今回の学会はヨーロッパで開催される学会らしい、マイペースな学会でした。私のポスターは822と824番だったので随分近い番号だと思っていましたが、ふたを開けてみると隣同士になっており、ポスターの選択や並べ方に適当さを感じました。

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 学会内容は朝7時半から夕方6時頃までの余裕を持ったプログラムになっており、ずっと学会場に監禁されている状況でした。スイスと言えば物価は高い国ですから(500mlペットボトルが400円!)昼ごはんは学会から支給されるランチボックスで節約するのですが、そのレベルは去年のブラジルよりはランクが上がっていますが、日本の弁当に比べればなんというか大味というか、まあこんなもんなのですね。
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 本題の学会内容ですが、今更ながらACL2重束解剖学的再建の演題が多く、手術方法の差や、解剖など、もう日本では話し尽くされた内容でした。そういう意味では日本では一歩リードした手術方法と考え方をしていることがわかりしました。それ以外の欧米が得意とする膝蓋骨脱臼や足関節に関する演題が少なく、全体的にはちょっと物足りない内容でした。
 企業のブースでは日本では発売していない新製品の紹介があり、私個人的に考えていた器械がすでに販売していたことにショックを受けましたが、世界がどちらに向いて進んでいくのか、それを上回る研究内容はないのか、“世界を驚かせる”ことはできるのか、などを妄想するには十分な内容の学会だったと思います。
 実際の半月板に関する演題は少ない状況ですが、ヨーロッパでは“save the meniscus”というコンセプトで治療を行っているグループがあるようで、当科でも半月板損傷に関してさらに温存する治療をしていきたいと思います。日本からの参加として今回はGWにかかっていることもあるのか、比較的少ない参加状況でした。日本からは北海道大学、弘前大学、日本大学、神戸大学、久留米大学、宮崎大学からの参加があったようです。民間病院からの参加は少ない中で、関連病院として島田病院からの参戦があり、力強さを感じました。
 今回は当スポーツグループの参加が病欠のため少なくなってしまいましたが、その分参加した者が収穫を得て、皆様に還元できるようにしたいと思います。

当科スポーツ整形外科が読売新聞の紙面に掲載されました!

  読売新聞の紙面「手術か保存か アキレス腱断裂治療法選択」にて 当科スポーツ整形外科が紹介されました!