2011年8月8日月曜日

第44回日整会骨軟部学術集会に参加して

第44回日整会骨軟部学術集会に参加して
��大阪市大大学院 骨軟部腫瘍グループ  髙田 潤)

平成23年7月14日(木)、15日(金)と国立京都国際会館で開催された、第44回日整会骨軟部腫瘍学術集会に参加させていただいたので報告させていただきます。当教室からは、家口先生(淀川キリスト教病院)、青野先生(大阪市立総合医療センター)、星先生(大阪市大)、岩井先生(大東中央病院)、私が演題を出し、国内留学中の早川先生(癌研究会付属有明病院)の演題も含めると、計7演題を出させていただきました。口演としての採択が応募総数の20%程度だったようで、ポスター展示となったのがすこし寂しかったですが、プラスにとらえて、例年なら口演かなと思われるような他大学の発表内容を、時間をかけて勉強させていただきました。学会が終わってみて、ポスターの多い学会もありかなと、個人的には思いました。
今回学会会長が京都大学再生医科学研究所の戸口田教授であったこともあり、講演やパネルディスカッションでは、京都大学iPS細胞研究所の山中教授の特別講演をはじめ、幹細胞研究をリードする先生方の講演を聴くことができました。世界中で研究が急速に進められている分野ですが、iPS細胞とES細胞の間でメチル化の領域と程度に差があるとする説や、分化能に差があるとする説もでてきたりと、iPS細胞の臨床応用にはまだまだハードルが多そうでした。
2002年のWHO分類の立案に中心的な役割を果たしたHarvard Medical Schoolの著名なpathologistであるDr. Fletcherも来日され、教育講演やMFHについてのシンポジウムで講演を聴くことができました。そろそろWHO分類が改訂されると噂で聞く程度でしたが、御本人の口から2012年に改訂予定と聞くことができたので、間違いなさそうです。改訂に伴い、MFHという病理診断はさらにみることが少なくなりそうです。
一般演題、ポスターでは、他の癌種ですでに臨床導入されている抗VEGF抗体や、臨床導入に向けて研究が勧められているIGF-1受容体阻害薬、mTOR阻害薬、MET阻害薬などの新規の作用機序を持つ薬剤の、骨軟部肉腫領域での応用に向けての基礎的な研究に、目を惹かれました。当グループでも、可能なものから、これまでの登録症例を対象として検討していきたいと考えています。
今回開催地が京都国際会館だったので、特に観光することもなく、イベントとしては木曜夜の癌研主催の飲み会くらいでした。大阪市大から片道1時間半ですので、毎度のことながら行きも帰りもちょっとつらいと思ってしまうのが、京都国際会館でしょうか。往路も会場も復路も暑かったので、ちょっとやせたような気がします。


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