肩肘グループの市川耕一です。2016年3月1日から5日まで2016 Annual meeting of American Academy of Orthopaedic Surgeons(AAOS)、3月5日から8日まで2016 Annual Meeting of Orthopaedic Research Society(ORS)が米国フロリダ州オーランドにて開催され、皆で参加してまいりました。今回、当学からは箕田行秀先生、大田陽一先生、寺井彰三郎先生、山村一正先生、中村卓先生、そして市川の5名で発表に行ってまいりました。また関連病院からは岩切健太郎先生と渭川徹秀先生が御発表のため学会に参加されておられました。
AAOSは皆様ご存知の通り世界最大の整形外科の学会であり、今年は口演が900題、ポスターが約600題採択されたとのことでありました。また、参加者も世界中から集まってきており、3万人以上の参加者がいるとのことでした。海外学会への参加は初めてに近い私にとっては、この世界最大の学会は衝撃的なことばかりでした。会場の端から端までをセグウェイで走り抜けるスタッフがいるような超巨大学会場で、自分の居場所はどこなのか全くわからない、そんな錯覚を感じながら過ごす数日間でした。そんな右も左もよくわからない状況ではありましたが、日本では声をかけることすら躊躇われるような高名な先生方に声をかけていただいたり、さらに世界的に有名な先生に紹介して頂いたりと(写真を撮っておくべきだったと後悔しています!)、普段の日本の学会では有り得ないようなことが毎日どこかで起こる、そんな素晴らしく楽しい日々を過ごしてきました。私は幸運にも口演で採択されておりましたので、余計に多くの先生方に御声をかけていただけたようでした。また、参加された他の先生方も学会を楽しんでおられ、充実した日々を過ごさせてもらいました。
さて、後半になりますとORSが始まりました。臨床最高峰のAAOSは、どちらかといえばお祭りのような雰囲気でした。ところがORSは所謂、基礎最高峰の学会となり雰囲気がまったく違いました。学会場はAAOSよりはこじんまりしておりましたが、それでもフロリダディズニーリゾートホテルを一つ借り切っての学会ですので、日本とは比べ物にならない広さです。そして参加してくる人々も、私の指導医の某先生に言わせると「本気のPh.D.」と言われる研究者達で、質問が恐ろしく高度でした。こちらでも私は幸運(不幸?)にも口演での発表をさせていただきましたが、緊張で舞い上がってしまい、せっかく質問をして頂いたのに回答がまったくできなかったのが非常に残念でした。同門の寺井彰三郎先生は見事に英語での回答をされており、英語力の違いを身に染みた瞬間でありました。私自身としては質疑応答の想定問題等はしっかりと作製し、予習していったつもりでしたが、まだまだ詰めの甘さを感じました。そんなこんなでAAOS~ORSと私にとっての怒涛のような日々は、毎日が大変でしたが非常に充実した学会でありました。
今回、初めてこのような大きな学会に参加させていただきました。英語力は国際舞台では必須なのは頭ではわかっているのですが、やはり体に染み込まさないと勉強しないです。
その点では、今回の発表に至るまでに多くのことを学ぶことが出来、現実には発表で苦しめられることでまだまだ努力することが必要なのがよくわかりました。英語ができないことで自分の考えが伝わらずに、結果的に自分の研究や発表が認められないのであれば、世界では戦っていけないことがよくわかりました。英語力や研究力をさらに向上させて、次の発表に向けていきたいと思います。幸い一つ目の発表では、AAOS 2016の肩肘部門Top 10にも選んでいただき、自分の発表が世界に通じるという自信を得ることが出来ました。英語のできない私が選出して頂いたことに大変驚いたのと同時に、手を抜かずに努力しろと背中を押されるような気分でした。次の機会が得られるように、頑張っていきたいと思います。
文末になりますが、今回のような発表の機会を与えてくださいました中村教授をはじめ、同門会の先生方に感謝申し上げますとともに、今後とも御指導・御鞭撻のほどを宜しくお願い致します。
市川 耕一
写真1:AAOSにて発表する私
写真2:AAOSにてはしゃぐ山村一正先生
写真3:AAOS会場にて。左から大田陽一先生、箕田行秀先生、山村一正先生
写真4:ORSにて回答に窮する私
写真5:英語にて堂々と議論する寺井彰三郎先生
写真6:ORS会場入り口にて(寺井先生)
2016年4月11日月曜日
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