第49回 日本癌治療学会学術集会に参加して
2011年10月27日から29日に名古屋国際会議場で開催された第49回日本癌治療学会学術集会に参加してきました。学会の雰囲気は東日本震災の後のためか、自粛傾向で、企業ブースの数も例年よりは少なく、派手さもなく、ややもの寂しい雰囲気で、恒例の懇親会もありませんでした。
大阪市大関連では私が“皮膚マーカーを用いたナビゲーションによる骨腫瘍切除術”と“骨軟部腫瘍に対するFDG-PETの役割”、大戎先生が“原発性悪性骨腫瘍に対する不適切治療の経験”、槇先生が“当院における単純性骨嚢腫の治療成績”大阪市立総合医療センターの青野先生が“がん診療連携拠点病院において整形外科を受診された肺がん骨転移症例の検討” 淀川キリスト教病院の家口先生が“後期高齢者(75歳以上)骨軟部悪性腫瘍症例の検討”の6演題を発表しました。
癌治療学会の発表は、最近は生化学的手法を用いた基礎的研究とともに、分子標的治療薬および 手術治療、抗がん剤治療、放射線治療に続く第4の治療である免疫療法の治療の話題が花盛りで、緩和ケア治療関連のセッションが設立され始めていました。学会のテーマはVisionの共有 (目標への第1歩)と題され、多施設共同の臨床試験のセッションがメインとなっていました。骨軟部腫瘍の発表でも、その腫瘍頻度の発生の低さ故、以前は症例経験に偏りがちでしたが、臨床研究は今後、各専門施設のみでの独自色を出す研究は減少し、多施設合同での臨床試験を中心に、今後演題が組まれる時代になりそうです。症例数の少なさゆえの単独施設のみでの、手術治療に関連する発表では取り残されていく危機感を感じました。時代の流れに敏感に感じ、適応できるような発表を心がけていかなければ、時代の流れに取り残されます。早目の準備が必要と夜の“ひつまぶし”をみんなで食べながら感じました。
整形外科 骨軟部腫瘍グループ 星 学
図1座長の京都大学と戸口田先生と
図2 ポスター発表する大戎先生
図3 口演する槇先生
2011年11月4日金曜日
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