スポーツグループ大学院生の寺井です。今回はフランスのヴェルサイユで開催された”The Meniscus”という半月板のみをテーマとした学会に参加してきました。
我々は発表自体はなかったのですが、半月板についての世界での診断や治療のスタンダードを確認するために参加しました。私にとっては初めての海外学会なので特に印象深い学会でした。
会場はヴェルサイユ宮殿のすぐ近くの小さなコンベンションセンターでした。また、おそらく出席者のほとんど(我々を含め)がこれまたヴェルサイユ宮殿すぐ近くの4つ星ホテルに宿泊しているため、世界の高名な先生がバスローブ姿でホテルの通路をうろうろしているところにも遭遇したりします。
さて学会のほうですが、まず演者が4~5人ほど発表し、そのあとdiscussionを行うスタイルでした。休憩時間は展示ブースに降りて行って談話していましたがFacultyとして出席していた神戸大学准教授の黒田良祐先生に多くの高名な先生を紹介していただきました。黒田先生ありがとうございました。
学会の内容ですが、半月板の治療に関しては、やはり切除という選択肢は長期成績が悪いという認識で一致しており、いかに温存するかが深く議論されていたように思います。縫合デバイスの改良や手術のアプローチの仕方、治癒促進因子の投与から半月移植までそれぞれで深いdiscussionがされていました。当グループではかなり積極的に半月板縫合を行っているので、世界の標準と同じ方向性を向いているのだなと実感しました。また、円板状半月の診断・治療についてはヨーロッパでは症例数が少ないためか、アジアに比べ遅れている印象を受けました。3日目にはVersailles Medical Centerでlive surgeryに参加させていただきました。大画面のモニターで手術の様子を見ながら術者はマイクを通して解説してくれたり、こちらから術者に直接質問することもでき貴重な体験でした。
二日半という短い時間でしたが小さな学会だったため参加者の距離が近く、とても有意義な学会でした。